Selected Poems of Rumi
ルーミー詩撰:ジェラールッディーン・ルーミー
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『悪きもの、この愛すべきもの』1
この世に、絶対の悪などというものは存在しない。 永遠ならばいざ知らず、時の領域においては、 ある者にとっては足、ある者にとっては足枷。 蛇の毒は、蛇にとっては生命そのもの。 ここにザイドという一人の男がいる。 もしも彼に、良い振る舞いを期待するのなら、 あなた自身の眼を用いてはならない、 愛する者の眼を通して、全てを見よ。 愛する者はこうも言う、
この世に、絶対の悪などというものは存在しない。 たとえどれほどのものであろうとも、全ては愛への道しるべ。 2008.01. *1『精神的マスナヴィー』4-65. *2 伝承ならびに聖伝(ハディース・クドゥシ:Hadith Qudsi)のひとつ。聖伝については『イブリースの告白』注釈も参照のこと。 *3 詩人ルーミーは、この一節及びこの一節に至る部分に、文法上の韻のみではなく意味の上でも伝承との韻を踏んでいる。すなわち「完全に自己を捨て去った者(fana':ファナーの状態)は、神の裡にあり神と共にある者(baqa':バカーの状態)である」。「楽園は、常にわれらの忌み嫌うものに取り囲まれている」。二つめについては、「楽園に辿り着くには、苦難を乗り越えなくてはならない」4と解される。 *4 コーラン94章5-6節:
94章は章題「Ash-Sharh:シャルフ」。日本語では「胸を広げるの章」。「シャルフ」とは「拡張」「拡大」と訳される。 |
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