"Risalah fi halat t-tofuliya" Shahab al-Din Suhrawardi

index > bookworm > 『成長期について』スフラワルディー


(1) かつて私が子供だった頃のことです。少年が皆そうであるように、私もまたいつもと同じように、どこかの街角で遊んでおりました。するとそこへ、何人かの子供たちが整然と列を作って通りかかりました。私の眼は彼らに釘付けになりました。私は彼らに駆け寄って、どこへ行くのかと尋ねました。「学校へ行くのです、知識を得るために」と、彼らはいいました。「知識とは何のことですか?」と、私は尋ねました。

「私たちでは、その質問に答えることは出来ません」と、彼らは言いました。「知りたいのなら、私たちの師に尋ねて下さい」。そう言って、彼らは去って行きました。

(2) 「『知識』とは、何なのだろう?」。しばらくして私は私自身に問いかけました。「なぜ彼らと一緒に行って、『師』という人に会おうとしなかったのだろう。『知識』について、尋ねれば良かったのに」そこで私は子供たちの後を追いかけましたが、彼らを見つけることはできませんでした。すると一人の老人が、砂漠の荒野にぽつんと立っているのが見えました。

私は近づいて行き、彼に挨拶をしました。彼も挨拶を返してくれました。それは思いやりに満ちた、暖かなものでした。彼は私にもっと近くへ来るように言いました。

「学校へ行く子供たちの集団を見かけたのです」と、私は言いました。「なぜ学校に行くのか、と、私は尋ねました。彼らは、師に尋ねなければ答えが分からない、と言いました。私がぼんやりとしていたので、彼らはそのまま立ち去ってしまいました。後になって、私も学校へ行きたくなり彼らを追いかけてここまで来ました。もしもあなたが彼らや、彼らの師についてご存知なら、私に教えてくれますか」。

「私が、彼らの師だ」と、老人が言いました。

「では、私にも知識を与えて下さい」と、私は言いました。

彼は石版を持ってきて、それにアリフ・バーを書き、私に教えました。

「さあ、これが今日の分だ」と、彼が言いました。「明日には、また違うことを教えてあげよう。その明日も、そのまた明日も。毎日、少しづつ教えてあげよう。そうやって少しづつ知識を増やせば、おまえもいつか学者になれるだろう」。

私は家に帰ると、次の日が来るまで何度もアリフ・バーを繰り返しました。そして次の日も、私は師を訪れました。師は、また別の知識を私に授けました。私は、それも憶えました。それから、私は1日に何度でも彼の許へと通うようになりました。そして、その度に私は何か新しいことを学ぶのでした。

終いには、私は師の傍を片時も離れることがなくなりました。そのようにして、私は多くの知識を身につけたのでした。


※アリフ・バー アルファベット、すなわち「いろは」を指す。


> 次へ


index > bookworm > 『成長期について』スフラワルディー