Kahlil Gibran "The Prophet"
ハーリル・ジブラーン(カリール・ジブラン)『預言者』


衣裳について On Clothes

織り手が問うた、
ーお話し下さい、衣裳について。

彼は答えて言う、
ー衣裳とは、美しさを覆い隠しはしても醜さは隠せない。

真の自由と聖域とを衣裳の裡に追い求めてみたところで
得られるものはただ鎧と鎖のみ
あなたの衣裳を通してではなく、あなた自身のその肌で
風と太陽とに出逢えたのなら!

なぜなら生命の吐息もその御手も、
太陽の光、風の中にこそ見いだせるものなのだから。

あなたがたのうちある者は言う、
「衣裳を織るのは北風の業」と。
私は言う、然り、北風である、と。

北風は
羞恥の織り機と脆弱な肉の糸で
そのしごとを成し遂げる、
そして森に還っては我らをあざ笑う。

忘れてはならない、
汚れた眼を遮るものは慎みであることを。
そしてもはや汚れのないときには
衣裳は足枷となり果てて心を堕落させる。

忘れてはならない、
大地はあなたのはだしに触れられて喜び、
風はあなたの髪とたわむれるために吹く。

2005.**.
2007.08.改訳


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