greenman
緑の男:木を描いたひと




モンドリアン

ピート・モンドリアン(1872-1944)

造形要素を直線と直角、三原色と無彩色に
絞り込み、普遍的な調和の法則を描いたひと






モンドリアン

モンドリアン、抽象画の巨人。

これはモンドリアンの晩年の作品。
一連のコンポジションシリーズからさらに
半歩先に抜き出たような、
何やらわくわくする色と線との躍動と鼓動がすてき。

彼には、樹と、それが象徴する宇宙とを、
観察し続けた5年の習作期がありました。






モンドリアン

「赤い樹」と題された作品。

オランダで生まれた彼の旅は、
静物画や風景画、印象派のタッチで初まります。

同時代のもう一人の画家カンディンスキーが、
あくまでも自らの内部と向き合うことにこだわったのに対し、
モンドリアンは、内部に留まらず、内部と、
外部ー世界との相互作用を見つめ続けていました。






モンドリアン

「灰色の樹」と題された作品。

習作期間の過渡期に描かれた樹は、
その輪郭を少しづつ溶かしはじめました。
引き換えに、彼が探していた、
水平と垂直のリズムが姿を顕わしつつあります。

水平と垂直は生命の軸。
生と死。聖と俗。清と濁。静と動。明と暗。・・・






モンドリアン

垂直の軸と水平の軸は、
宇宙を織りあげる縦糸と横糸です。

輪郭は消え失せて、顕われたのは、
大気と光に精一杯に呼応する無意識の力。

自然界の樹の観察から始まった彼の旅は、
彼自身のことばで言い表わすならば、
「唯一の始源的な関係性」=「ダイナミックな均衡」を、
樹の裡に見い出す旅でした。






モンドリアン

樹は実をつけ、実の中には種があり、
種の中にはすでに樹が用意されています。

部分においては分離と対立を繰り返す線が、
全体においては調和し、均衡を保っています。

定規で引いたように正確無比に見える線も、
間近に見ると柔らかに揺れていたりする。
樹から生まれたモンドリアンのコンポジションには、
不思議なあたたかみがあります。




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