書道:Calligraphy
書道における代表的な書体
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クーフィー書体:al Khat al Kufi ここで紹介する書体の中では最も歴史の古い書体で、現在のイラク南部の町クーファで開発されたことからこの名前で呼ばれる。その後クーファ、バスラの二つの町で盛んに書かれるようになった。アラブ地域に紙というメディアが流入する以前からある古い書体で、石や皮などに刻まれたりしていた。数ある書体の中では、最も多くの建築物の壁面を飾った書体とも言われる。 水平線はあくまでも太く、どっしりとした安定感のある書体で、その他の書体と比較すると書法の制限がゆるやかなため、唐草模様と組み合わせたものや、「中国迷宮」と呼ばれる幾何学的パターンなど、数多くのバリエーションが編み出されている。 ナスヒー書体:al Khat al Naskhi 最も基本的な書体とされる。装飾的要素こそ少ないが、線の細太や、水平・垂直のバランスから生まれるフォルムは、基本的書体とされるだけあって完璧で美しい。 その他の書体で書かれたクルアーンを全て数えあげたとしても、ナスヒー書体で書かれたクルアーンの量にはかなわない、と言われる。
もともとクルアーンを書写するために開発された書体でもあり、文字をそれほど変形させず、また単語をひとつづつ区切って書くので、読み手にとっても読みやすくなじみやすい書体。 スルス書体:al Khat al Thuluth 「al Aqlam al Sitta (as Sitta)」「六本の筆」と言われる正統六書体のひとつで、「三分の一」と名付けられている。ウマイヤ朝(7世紀)の頃から書かれ出し、9世紀には完成したと言われるが、実際に最も盛んに書かれたのは10-11世紀頃から。 ナスヒー書体をもとに、クルアーンの章句やその他の成句などを美術的に書くために特に開発された書体で、文章を書くのにはあまり用いられることはないが、文字を横方向だけではなく上下に配することで、円形、楕円形、その他さまざまなアウトラインを持つオーナメント的な作品に仕上げられることが多い。
水平線と垂直線、細い部分と太い部分、またカーブはあくまでも深く、直線はあくまでもまっすぐに伸びて行くコントラストが美しい書体で、最も洗練された芸術的書体とされるが、それだけに最も厳しい法則を持つ書体であり、習得には十年単位の時間がかかると言われる。 タアリーク書体、ナスタアリーク書体:al Khat al Nastaliq ペルシアで9世紀ごろから書かれ、14世紀ごろには現在の書体が完成された。ペルシャ書体、ファールシーとも呼ばれるが、厳密には法則が若干違う。タアーリクとは「吊るされた」もしくは「引っ張り上げられた」という意味を持つ。角張ったところがほとんど見られず、流れるようなカーブのみで構成されており、その他の書体とは全く違う印象を与える書体。 ペルシア、トルコ、パキスタン、インド等の地方で特に好まれ、宗教に関わらず多くの詩や文学作品を書くのに使用されている。 ディーワーニー書体:al Khat al Dhiwani オスマン帝国下で書かれた崩し文字の一種で、15世紀頃に完成している。もともとはオスマン政庁(ディーワーン)の政府文書専用に開発された書体で、当時は政庁以外での使用が許されない禁制の書体でもあった。 バリエーションも豊富で、文字と文字の間を装飾点で埋め尽くすジャリー・ディーワーニー書体はHumayuni・フマユーニー(帝国)とも呼ばれ、格調高い書体とされている。 ルクア書体:al Khat al Ruqua 「小さな紙」と名付けられた、水平の幅が低めに設定された書体。現代アラビア語圏では、通常は手書き文字として知られている。装飾性はそれほど高くはないが、力強い印象を読み手に与える書体。 スルス書体と同じくナスヒー書体を原型として発達してきた書体だが、スルス書体とは正反対に、よりシンプルな方向へと開発された書体で、自由度が高く書き手の個性に依存する部分が多い。 |
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